女の子が去っていき、あたしは扉の近くで考え事をしていた。
どうしよう…もう雄太と仲良くなんてできないよ…
悲しくなってあたしはすすり泣いた。
雄太に聞こえないように静かに。
だけどそれも意味がなかった。なぜならあたしが今、ガタンという音を立ててしまったからだ。
「誰…って沙羅か…!」
雄太はあたしを見るととても幸せそうに微笑んだ。
でも余計に悲しくなり、思わず涙を落とした。
「沙羅…なんで泣いてんの??」
「泣いてなんか…ないよ」
あたしはなるべく雄太に心配かけないように、そして早く行って欲しいが為に嘘をつく。
「嘘つくな。泣いてる」
「泣いてなんかないってば。教室に…戻りなよ」
嘘は通じないと感じたあたしはなるべく冷たく聞こえるように言った。
そうしたら雄太も行ってくれるんじゃないかと期待して。
でもそれも意味を持たなかった。
「沙羅が泣いてるのに戻れるかよ。…こんなにも好きなのに」
雄太は悲しそうに顔を伏せた。そして次の瞬間、雄太はあたしをそっと抱きしめた
「!!…ちょっと雄太!離してよ!!」
あたしは離れる為に雄太の胸板を押す。
やはり男と女なので、雄太の力に勝てなかった。
続