急いでたのは覚えてる。
途中からの記憶がない。
俺は母ちゃんのうるさい声で目を覚ました。
「もう起きてるって!」
と言い体を起こした
「・・?あれ?ふわふわしてるぞ!?あれ??」
驚愕の事実だ!!俺が下にいる!!包帯と管だらけの俺だ!
わけがわかんねぇ!やたら母ちゃん泣いてるし。
「午前2時24分。ご臨終です。」
おっさんが静かに言った。
「・・死んだの?」
どうやら、無茶な車線変更をした時に後ろから来た車に接触したらしい。俺にはまったく覚えてない事だった。
「志津香は・・?」
ここでまた記憶が無くなった。
気が付いたら通夜だった。仲良い奴から知り合い、全く知らない人等様々な人が来てくれた。自分の通夜を見るのも不思議なもんだ。焼香をあげてもらう度に妙に嬉しさがでる。なんだろうと思ってたら、志津香が来てくれた。
・・泣いてた・・
あれだけ強気だったし、俺が知ってる女の中でありえないくらい愛情表現に乏しい女。
そんなあいつが溟いっぱいになるなんてありえない。