「こ〜うちゃん♪」
授業が終わると、すぐに仁が光太郎に絡み付いた。
「何だよ…」
「今日は、こうちゃんにとっておき情報です☆」
どうせロクでもない事だろうと、光太郎は帰る準備をしていた。
ちなみに今日は野球部も休みだ。
「実は、聖林女子と合コンなのよ♪それを光太郎クンにも是非だね…」
「行かない」
仁をほっといて席を離れようとする光太郎。
ところが仁は追い掛け回り込む。
「バッカ、お前!聖林っつったら巨乳だらけだぞ!」
(そこかよ…)
「…エロ」
ポツリと呟く光太郎に対し、仁は声を大にして言う。
「何、言っちゃってんの!エロこそ男のロマン!エロこそすべてだろ!!」
「ちょっ…!」
ちょうど門を出た所に、他校の女子生徒が数名居て、仁と光太郎を見ていた。
それも、いかがわしいと言う目で…。
「声がでかいんだよ!」
光太郎は内緒話をするかのような小さな声で叫んだ。
「男のロマンを堂々と語って何が悪い!?」
何故かキレ出す、仁。
「わかった、わかったから!」
光太郎は慌てて仁の口を両手で押さえ込んだ。
仁はそれを見てニンマリと笑うと、
「そうと決まればレッツゴー♪」
無理矢理、光太郎の肩を掴んで歩き出した。