Person of THE fate〜運命の人〜29

じゅりあ  2007-07-20投稿
閲覧数[274] 良い投票[0] 悪い投票[0]

光太郎の爆発により、一瞬にして店内が静まり返った。
仁ですら瞬きを忘れ、光太郎を見ている。

「ゴメン…帰るわ」
ぼそりと呟くと店を出る光太郎。

背にしたドアの隙間から「冗談が通じない男はやだね〜」とか、「ささ、アイツの事は忘れて楽しみましょう!」などと声が漏れている。

(仁、ひびってたな…)
自分でも信じられないくらいだ。普段が比較的、温厚なだけに…。

頭を冷やしつつ駅に向かう光太郎。

(どうかしてる…)
周りに心配掛けまいと決心したあの日から、だいぶ落ち着いていたと言うのに。

周りは皆、クリスマス気分で浮かれてる。

『いつか、クリスマスは運命の人と過ごすの♪それが夢なんだ』

いつだったか、さおりが言っていたのを思い出す。

(彼氏と上手くいってんのかな…)

周りのカップルと重なって見えた。
今も一緒にいるんだろうかとか、そんな事ばかりを考えてしまう。

(いい加減、諦めないとな…)
いつもそう思うのだが、なかなか忘れられないでいる。
そんな自分を未練がましい男だと思った。

駅の改札をくぐり、ホームへ足を向ける光太郎。

階段を登りきると、タイミングよく電車が到着した所だった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 じゅりあ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ