女神の声を聞く者

バージニア  2007-07-20投稿
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「君はなんで飛ぶんだい?」翼を持たない男が言った。「じゃあ、あんたはなんで飛ばないんだ?」
翼を持つ男は答えた。
「僕には翼がはえてこなかったからさ」
「だから飛ばない?」
「ああ」
翼を持たない男はかわりにドライバーを持っていた。薄汚れた整備服。彼は女神にかしずく存在だった。
「あんたは怖いだけさ」
翼を持つ男はヘルメットを持っていた。濃緑のフライトスーツ。彼は女神の声を聞く存在だった。
「女神の声を聞きたくないのか?」
翼を持つ男は知っている。この空を統べる、美しい女神の声を。
「僕には翼がない」
「翼はあるさ」
「飛べないよ」
「飛んでみなくちゃ女神の声はわからない」    女神が愛する空の男たち。
「GOOD LUCK」

僕は今日も見つめ続ける。青い世界へと飛び立つ、女神とその男たちを。

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