『別れよう』
その一言からメールは始まっていた。僕は携帯を落としそうになった。
『なんで?』
返信した。するとすぐ返事が返ってきた。
『もう 和馬の事好きじゃない。それと他に好きな人ができた』
僕の事を好きじゃない・・・? いつから? 好きな人って誰? どんな人? 色々な思考が頭の中で回っていた。
『そっか・・・なら・・・仕方ないよ・・・今までありがとう』
素直にお礼を言った。
返事はすぐに来た。
『こちらこそありがとう。さようなら。』
『さようなら。』
すぐ返信をした。それからしばらくメールを待っていたが、メールは返って来なかった。
ぽたっ・・・
掌に水滴が落ちた。それが自分の涙と気付くのに、少し時間がかかった。
もう自分の隣には彼女はいない。そんな現実が胸に突き刺さっていた。いつも隣で笑っていてくれた彼女。いつも隣で見守ってくれた彼女。いつも隣で勇気をくれた彼女。いつも・・・いつも・・・いつもいた彼女がいない。孤独や悲しみが背中に重くのしかかる。
初めてだった。
こんな寂しい思いをしたのは。
和馬は明け方まで涙が止まらなかった。