魔法戦記3#『え?木の棒で!?』

みるく  2007-07-21投稿
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『では傭兵団の試験を始めるとしよう!』

グレイルは立ち会いの位置まで下がる。

『ど〜れ、いっちょもんでやるかな〜』

レンが気楽な声を上げる。

『ちょっ…まてまて!レン!オレの武器!木の棒!!』

カイは今にも折れてしまいそうな木を見せ付ける。


『そ、それは!?伝説の破壊の剣!!』


『違うわ!!お前の目はふし穴かぁ!!?』

『グレイル団長、始めの合図を…』

そんなカイとレンを尻目にスーはグレイルに声を掛ける。

『うむ、わかった。では…始め!!』


『え?待って!?』


始めの声と同時にレンとスーはカイから後ずさる。

『ちくしょう…イジメだ…やるしかないのか?木の棒で!?』

対峙するレンとスーの様子を伺いながらカイはようやく構える。

『おら、カイどうした?来ないならこっちからいくぜぇ!?』

レンが飛び出してくる。

その手にあるのは”ランス”と呼ばれる長い柄の先に鋭利な刃が付いた武器。


(ど、どうする!?受け流すしか…コレじゃあ受け止めれねぇ!)

レンが片手を突き出す、同時に刃が眼前に迫ってくる。

が、瞬間的にカイは逃げ出す。

『ギィヤァァァア!?殺す気じゃねーかぁ!!話が違うぞ親父ぃ!』

『それが試練だ、ウンウン…』

腕を組みグレイルは納得したかのようにしてみせる。

『あっ…カイ逃げんなこら!』

『黙れー!人殺し!それに逃げてなんかない!!戦略的撤退だー!!!』

『ったく、今のは寸前で止める突きなんだが…』

背中を見せ、逃げるカイを見ながらレンは呟く。

『わたしに任せて』

そう言うとスーは懐から二丁の拳銃を取り出した。

『お、おいスー?あくまでも試験なんだから手加減…』

レンはただならぬ気配を立たせるスーに問い掛けるが…

『無論、わたしに手加減という選択肢はない!』

スーの拳銃がカイへと狙いを定める。

そして乾いた音とともに銃口が火を噴いた。

『や、やめて〜!?』

カイは弾丸による足元の崩れにさらに逃げ戸惑う。
お構いなしにスーは引き金を絞り続けた。

『あはは!どうしたの?カイ?死ぬわよ〜♪』


スーの楽しげな声が広場に響く。

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