Person of THE fate〜運命の人〜31

じゅりあ  2007-07-21投稿
閲覧数[254] 良い投票[0] 悪い投票[0]

電車に乗り込んだ光太郎は、ホームに立つ女学生と目が合った。

星窪女学園の制服だ。ちえみが着てるのを何度も見て覚えている。

『ドアが閉まります』

アナウンスが聞こえた。

(え…泣いてる…?)
目を逸らした彼女を見て、まさかと思った。

黒いミディアムの髪に、奥二重気味の目…。
少し距離はあっても、視力の良い光太郎にはわかった。
(…さおりん!!)

そう思った時には、もうドアは閉まっていた。

握り拳をドアに押しつける。
光太郎の心臓はいつもより早く高鳴っていた。

(まさか…)

不自然に涙を流していた彼女。
さおり本人と決まった訳ではない。
だが、もし本人だったとしたならば、何故あんな顔をして涙までも流していたのか…?

確かめたいと思った。

彼女がまだ、あの駅にいるとは限らない。
それでも光太郎は自分の気持ちを抑えられず、隣の楽加賀駅で降りた。


光太郎は足早に向かいのホームへ回る。

(早く来てくれ!)

なかなか来ない電車を祈りながら待つ。

5分も経てばやって来たが、光太郎からすれば、もっと長く感じた。

やがて目的の場所へと到着する―。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 じゅりあ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
ほしのあき大絶賛
極上スクラブ3800yen


▲ページトップ