【2回裏】
打席にはいかにも4番といった体格の中西剛介が立った。
『プレイ!』
主審の手が上がる。
注目の初球。
ズバッ!!
『ストラーイク!』
初球からど真ん中をエース天堂寺が射抜いた。
続く二球目。
ブン!!
『ストライクツー!!』
物凄いスイングで中西は天堂寺のフォークに空振りした。
このスイングには正直俺もビビった…
追い込んだ天堂寺、不破バッテリーはカーブを選択した。
これが甘く入った…
やや内側から真ん中に入るカーブを中西は捉らえた!!
カキーン!!
!!!!!
バシッ!!!!
『アウト!』
捕ったのは俺だった…
俺の頭上をライナーで越えそうな打球を精一杯ジャンプして手を伸ばした。
すると、鋭い打球が俺のグラブに入ったのがわかった。
すごく手がしびれる…
周りからは
『ショートいいね〜』
などといった歓声が上がる。
『ワンナウト〜』
キャッチャーのカズマが叫んだ。
タク『コウやるじゃん♪もう一丁くるぜ!』
と、タクが言ったので
コウ『オッケー。いくらでもこいよ』
なんて調子に乗って見せた。
続く5番は相良。
相良は長身である最大の利点、その長い手を伸ばしカウント1-1から外のボール球のカーブをライト前に運んだ。
1ナウト1塁となり、天堂寺が若干打たれたことを気にしたようだったが、気のせいだった。
その後は6、7番を連続三振にとり2回裏がすぐに終わった。
やはりエースは違う。1、2回と素晴らしい立ち上がりを見せた。
【3回表】
ベンチに戻ると俺はヘルメットを付け打席に向かった。
練習試合の初打席があろうことか、好投手南とは………↓↓
でも俺は絶対にレギュラーを勝ち取るために強い気持ちで左打席に向かった。
投球練習をする南の球は間近で見てもやっぱり速かった…
準備が整い、俺は打席に入った。
『プレイ!!』
審判の手が上がる。
こうして、遂に俺と南の初対決が始まった。