LASTSUMMER#08 『朝山中の4番打者』

SETTARMEN  2007-07-22投稿
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【2回裏】


打席にはいかにも4番といった体格の中西剛介が立った。

『プレイ!』

主審の手が上がる。

注目の初球。


ズバッ!!

『ストラーイク!』

初球からど真ん中をエース天堂寺が射抜いた。

続く二球目。

ブン!!

『ストライクツー!!』

物凄いスイングで中西は天堂寺のフォークに空振りした。


このスイングには正直俺もビビった…

追い込んだ天堂寺、不破バッテリーはカーブを選択した。

これが甘く入った…

やや内側から真ん中に入るカーブを中西は捉らえた!!

カキーン!!



!!!!!


バシッ!!!!



『アウト!』


捕ったのは俺だった…


俺の頭上をライナーで越えそうな打球を精一杯ジャンプして手を伸ばした。


すると、鋭い打球が俺のグラブに入ったのがわかった。



すごく手がしびれる…

周りからは
『ショートいいね〜』

などといった歓声が上がる。


『ワンナウト〜』

キャッチャーのカズマが叫んだ。


タク『コウやるじゃん♪もう一丁くるぜ!』

と、タクが言ったので
コウ『オッケー。いくらでもこいよ』

なんて調子に乗って見せた。


続く5番は相良。


相良は長身である最大の利点、その長い手を伸ばしカウント1-1から外のボール球のカーブをライト前に運んだ。


1ナウト1塁となり、天堂寺が若干打たれたことを気にしたようだったが、気のせいだった。

その後は6、7番を連続三振にとり2回裏がすぐに終わった。

やはりエースは違う。1、2回と素晴らしい立ち上がりを見せた。


【3回表】


ベンチに戻ると俺はヘルメットを付け打席に向かった。


練習試合の初打席があろうことか、好投手南とは………↓↓


でも俺は絶対にレギュラーを勝ち取るために強い気持ちで左打席に向かった。


投球練習をする南の球は間近で見てもやっぱり速かった…


準備が整い、俺は打席に入った。


『プレイ!!』


審判の手が上がる。


こうして、遂に俺と南の初対決が始まった。



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