葉桜の下

紗羅桜  2006-03-07投稿
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葉桜の木の下で誓った私と貴方との小さな約束覚えていますか?
あれは、丁度2年ぐらい前まだ桜の花が咲いていない時期でしたね私は昔から人見知りが人一倍激しくってクラスに馴染めなかったそんな私に初めて声をかけてくれたのが貴方でした「ひとりでご飯食べるより2人で食べた方が美味しいから一緒に食べよう。」と昼休み私をあの教室から連れだしてくれて貴方のお気に入りの場所を教えてえてくれましたねあの日のことは今でも鮮明に覚えています。深緑の綺麗な5月の日でしたね。中庭で私と貴方は無言で食べていましたね。それを破ったのは貴方でした。「君は今の学校生活楽しい?」私は少し黙っていたけど静かに首を横に振りました。…そっか。しばらくして貴方は、僕も学校嫌いだったんだ昔クラスの人にいじめられていたから小学生のときは自分の中にいつも殺意があった様な気がするよけど僕はひとりの人に出会って変わったんだその人は重い病気を持っているのにいつも笑顔で辛い顔なんて見せないで頑張っていたよ。でも無理をして僕が卒業する前に死んでしまったんだ。……。長い沈黙が流れた。でも僕はその人のお陰で学校が少しだけ好きになったよ。私は気が付けば泣いていた。
その日から私と貴方は友達になった。いつもたわいもない話をしていた、ただそれだけで嬉しかった。そのうち私は貴方に違う感情を抱くようになりました。貴方が他の子と楽しそうに話をしているとイライラしたりして嫉妬していました。私は貴方に恋をした事に気が付きました。でも私は貴方を独占したかったけど告白する勇気がなくって、今が壊れるのが嫌でできなかった。高2になってからはクラスも離れてしまいあまり会わなくなった。 修学旅行の前に私達は葉桜の木のしたで約束した。進路がちゃんと決まるまではお互い会わないで置こうと。時は過ぎ私達は今日卒業するでもその中に貴方は居ない。私の前から居なくなった、この世界から…。彼は病気だったのだ、二十歳まで生きられない、難病の私は知らなかった。私の大学の発表の日に倒れてそのままあっけなく私の前から居なくなった。私は今生きているけど貴方はひとりで逝ってしまった。「私との約束覚えておいてくれてる?」と貴方が眠るお墓で呟いた。返ってくるはずのない返事をいつまでも待っていた。私はそれから何をする訳でなくただ生きてきた。貴方が残した叶うはずない約束を信じて。



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