ぬくもり

バージニア  2007-07-25投稿
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僕はロボットを造った。  3年前に死んだ彼女に似せて造った。       髪型、目、声、しぐさ。 すべてそっくりに造った。
不運な事故だった。   酒酔い運転のトラックが彼女の車を潰したからだ。   即死だった。
それが幸か不幸かはわからない。         結婚間近にして、彼女は僕の前から消えてしまった。                        「翔」          けれど僕は彼女のあの優しい声を取り戻した。   「好きだよ翔」      彼女そっくりなロボットは僕を見つめ、ほほ笑み、キスをする。       
「愛してるわ翔」     大好きな君。     
世界でただ一人愛した君。君さえいれば僕は何もいらなかった。       命だって惜しくなかった。「翔…」
大好きな大好きな君。  僕が持てる愛をすべて君に捧げよう。                                                       僕はロボットを壊した。              ロボットの肌があまりにも冷た過ぎたから。

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