私が長老の家のドアを開けた、その時
「ビシャッ・・・・」
何やら顔に生臭い液体がかかった
・・・・・・・・・血だった
私は恐怖で声がだせず、とっさに近くにあった樽の陰に隠れた
「あ、兄貴ぃ!てめえ!今、人間様を敵を回したぞ!」
長老の家から怒鳴り声が響いた
私は怖くて怖くて、樽の影でガクガク震えていた
「黙れ!人間よ、こんなものが和平だと!?
本気でいってるのか!?」
父の声が響いた
(父さん!・・・・)
私は縋るように震える足で長老の家のドアを開けた
―――――!
そこにあったのは
胸が赤くにじんだ父の姿だった
トウサン――――トウサン?