ヤス#111

チャーリー  2007-07-26投稿
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ヤス#111
【泰子との再会】
日曜日。女将の話だと、今夜、泰子が来るという事だった。店は混んでいた。日曜日は家族連れもやって来るので忙しいのだ。午後八時を回った時、入口のドアが開いた。

「いらっしゃいませ!」「こんばんは。やっちゃん」
「あ、お母さん」

つい、泰子おばさんと呼ばずに、お母さんと呼んでしまった。カウンター席の客はヤスの母親と勘違いしてしまったようだった。

「へぇ、あの方がやっちゃんのお母様?綺麗なお母様ね」

そう言ったのは常連の橋本祥子だった。泰子と同い年だ。

「あ、いえ…ハハ…どうも」

女将が小走りでやって来た。

「まあ、泰子さん。疲れたでしょう?家の方に行く?あ、やっちゃんの前がいいわね。ふふっ」

女将はどんな風に気をきかせたのかわからないが、橋本祥子の横に泰子を誘った。
女将は泰子の荷物を受け取ると一旦奥に消えた。
アルバイトの紀子がお絞りを持って来た。

「いらっしゃいませ。お飲み物は何になさいますか?」
「ああ…紀ちゃん、ここはいいんだよ。ビールを持って来てくれないかな」
「あ、はい。わかりました」

紀子が瓶ビールとグラスを持って来た。



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