もう一度

つばさ  2007-07-27投稿
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風が心地良く頬を打ち、自分が自然と一体化する感覚を私は今、感じている。

深呼吸すれば、この世の生気全てを吸い込む事が出来そうだ。

しかし、私にはその必要はない。

何故なら私は今から死ぬのだから…。

長かった様で短かったこの2年間を思い出す。

ふいにはっきりとあの人の顔が浮かび、愛しさが込み上げ、私は泣きたいような微笑みたいような、変な気持ちになった。

目の前には海が広がる。私は今、ここから飛び下りる。

鳥になって、あの人に会いに行くのだ…。

最愛の人を亡くした今、この地に未練など無かった。あの人を無くしてからの2年間、本当に辛かった。

だからもう迷う必要など何もない。

私は躊躇う事なくその場から飛び降りた。

そのまま真っ直ぐ、下へ下へと落ちて行く…。

自然と笑みが溢れていた。

あの人もきっと喜んでくれているに違いない。

天国で、また一緒に過ごせるのだから…。

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