「これは…なんだ」
「エレスタに決まってるじゃない。あなた本当にバルカニア国民なの?」
「多分な」
…違うけど
ハルと一緒に来たのは、駅のような場所。
しかしそこに有ったのは電車でなければ、バスでもない。
電車を簡易化したような、ただの箱のような物体。
レールも電線も、タイヤもない、動きそうにない乗り物。
特徴的なのは、エレスタと言うらしいその乗り物の部分だけ、天井が無いこと。
その箱は乗客を乗せると、プロペラも無いのに、ヘリコプターのように垂直に上昇。
そして空高く上がると、横に進み、大空に飛びたっていった。
「……………」
あまりの非常識な乗り物を理解出来ず、呆然と立ち尽くす。
「さ、乗るわよ」
「ま、待て!そんな軽い気持ちでこんなの乗れるか!
…や、やめろ押すな!」
「レスニア城行きのエレスタは少ないのよ!?早くしなさい!」
「だからって引っ張るな!
まだ心の準備がぁ…!」
強引にエレスタに押し込まれそうになり、必死に抵抗する。が、これだけの人の前で、だだをこねるているのも恥ずかしい。
やむなく、覚悟を決め謎の箱に乗り込むことにした