ーー受験一ヵ月前。 彼の精神状態はもう最悪。 何も信じられない、信じたくない。 ひたすら違う世界に助けを求めて、ひたすら生にしがみ付きながら。 「行けるもんなら、行ってみたいよ。」 自分に言い聞かせたその台詞は、直後、現実になる。 自分の家まであと少し。よそ見をしていた訳でも、ぼーっとしていた訳でもなかった。 彼の視界は宙に浮き、アスファルトに叩きつけられる。 一台の車が、フロントガラスにヒビを入れたまま、走り去っていった。
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