紅いアクマと私02

 2007-07-30投稿
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「大丈夫?」


熱い。
体中が熱い。

意識が朦朧とする俺の頭にはっきりと届く人間の声。

一応[壁]を張ったのに・・・
疑問が湧くが朦朧とした頭で考える気にはなれなかった。


それよりもこの人間をどうするか・・・

すぐ近くにある顔を見つめる。
性別、女。
髪は茶。

どこにでもいそうな人間だ。


人間は俺に手をのばしてきた。
抵抗、したいが体が動かない。

人間の手が俺の額に触れ、すぐに手をひっこめる。
そしてまた手をのばす・・・・。

俺の汗ばんだ額に手が置かれた。
熱い。
人間は体温が高いらしい。その手は随分と熱かった。

人間が布で俺の顔をふきはじめた。
汗が吸い取られていく。
少し、心地良かった。


が、

いきなり激痛が襲ってきた。

もぎ取られた俺の右翼に。

「ぐっ・・・あ・・」

声が漏れる。

汗が頬を伝うのがわかった。

「どうしたの!?大丈夫?」

人間が俺の肩に触れる。

そのとき視界にちらりと映ったのは

もぎ取られた翼の、かすかに残った部分が黒ずんでいて−−−

呪いをかけられた・・・!


激痛は少しずつ、治まってきた。

俺の息も少しずつ安定してくる。


人間をちらっと見ると、おどおどしていた目と目が会った。

よく見ると茶色で。


そこで俺の思考は途切れた。



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