目を開けると知らない場所。
少しずつ頭が冴えてくる。
ゆっくりと体を起こす。まだ怠いが、動ける。
あの人間が目に映った。
人間は俺の落ちた羽根を見ていた。
綺麗、とでも思っているのか。
馬鹿馬鹿しい。
人間が羽根から目を上げた。
俺と目が会う。
人間は身構える。
俺も、身構える。
すでに発動の準備はできている。
俺は人間に問い掛ける。
「お前はなんでここにいる」
気になっていた。
たまたま入った家。
熱い体でなんとか[壁]を張った。
誰も入れないように。
それなのに、なぜこの人間はここにいる。
「そんな・・・あ・・・えっと・・・」
イライラする。
「わかんない・・・」
はあ?
わかんない?
なんだそれは?
イライラが募る。
「もういい。次だ。お前は何だ?」
「え・・・あ、あんたは?」
人間のくせに問いに問いで返してきたんだ。
「俺が質問してるんだ。早く答えろ。名前、位、種族」
「はい。・・・神崎珠梨亜。・・・高校生で、種族・・・・人間です」
ジュリア、か。
「あんたは・・・?」
人間がか細い声で言った。
「アルカディア・シェンザード。位は大聖緋人。種族は」
「天使だ」