もてたい!
なんつーことは16歳くりにもなると必然的に思うことでこの時期の男女はそりゃあもうオシャレに気をつかう。
いらっしゃいませー
見渡す限り「おしゃれ」の一言につきる店に一人、あまりにも似合わなすぎる男が一人。
「大丈夫だ、大丈夫なんだ、別に浮いてない、ただ俺は服を買いにきただけなんだ…」
「いらっしゃいませー。なにかお探しですか?」
「はい、あ、あの春の服を」
「衣替えですねーどうゆう服とかを着てみたいんですか?」
「は、はい、モテそうな、ものを」
「ふふ…モテそうな服ですかー
これなんか…………………………」
「あー結局なんも買えなかった〜
あの店員、絶対俺のこと馬鹿にしてたよな〜」
俺の名前は早川こういち、高校2年。
備考……もてない
「ちっきしょーよくわかんねんだよなー女の子も洋服も………。」
ドカっ!
「いて。だーもう空き缶も俺を馬鹿にすんのかよ」
「ちくしょー」
かこーん
俺は全力で空き缶を蹴り飛ばした。
ひゅー
蹴った空き缶は綺麗なアーチを描きながら前に跳び……げっ……
かこーん
前にいる女の子にストライク。