ちゃんとミユキの作ってくれたお守りはいつも持ってるよ。と呟き一息つくと、
なぜか自然と涙が流れた。
いろんな事を思い出す。
二人の出会いから最後の3ヵ月間の病院生活まで
どれぐらい、涙を流していたのかは分からない。
涙が止まる頃には、
不思議と気分が楽になり癒されていた。
随分と日差しが強くなっている。
時計は12時を過ぎていた。
ミユキ、そろそろ帰るな。また来るわ。またね。
そう、呟きミユキのお墓をあとにした。
バイクにまたがり、
ミユキと二人でよく行った。喫茶店に入った。
全く昔と変わってない。
大きな馬の絵、コーヒーの匂い、レンガの床、重たい椅子、ここは、懐かしい空間が広がっていた。
奥から2番目のテーブルがいつも座る席だ。
この席は外に停めたバイクと大きな馬の絵がよく見える。
初めて二人で遊びに行く時、この喫茶店に入ってバイクでミユキを驚かせた事を思いだす。