知ってるよ。
あの綺麗すぎる笑顔
皆事故でおらんくなって俺がばあちゃん家に預けられた時や
俺はばあちゃんに同じ顔をした
「もう帰ってくる事はない」
小さいながらにそう考えたら悲しくて悲しくて仕方なかった
おって当たり前の存在が本間は全然当たり前じゃないとこの時初めて知る事になった自分の不甲斐なさと
けどばあちゃんに迷惑かかると思って平気なフリをしてた
悲しみを押し殺した
絶対泣いたあかん
『綺麗な顔やなぁ。そんなん子供のする顔ちゃうんやでぇ』
あの時よく分からんかったばあちゃんの言葉
【いつでも泣いていいねんで】
そう理解するのに何でこんなかかってんやろうな…
あほみたいに手を合わせて俺は夜空を見上げた
ただ最初は死にそうな顔してるあいつをほっとかれへんくて
次は無邪気な笑顔を亡き家族に重ねて
最終的には俺に重ねるんか…?
違う
よう分からんけど俺はただあいつに何かしてあげたいと思う。
あいつの話を聞いてやりたいと思う。
悲しいなら泣いてもいいよと言ってあげたい。
寂しいなら―…