―俺はしばらく空を見上げたままだったがやがて自宅へと歩き始めた
マンションの階段へと足を向かわせると階段の隅っこの方に見た事のある人物が腰掛けていた
思わず足を止める
「!あっ…」
そいつは俺に気付くと勢い良く立ち上がった
「いつから…?」俺はゆっくり訪ねた
「えと…あ!…駅に行こうと思って…!あ!もう閉まってて!」
「うん」
「そしたら…道に迷っちゃって…っ」
「うん」
「それでっ…気がついたらここに…?」
聞くな
「…いつ行ったん?」
「えっ?」
「駅、いつ行ったん?」
「えっ?!…ぇえと…さっきだよ!」
「……」
「……」
しん。
「…駅まだ開いてる」
「え…?」
「本間やで。俺さっき行った。」
「え!えぇ?!!」
すごい動揺や。
あ―…なんでこいつはこんな…
「ちなみに駅員がこの時間に子供は通ってないゆうてたで」
「!…な、なんで…?」
「俺が聞いた。探してたから」
目の前の女は目を丸くさせた。頭に疑問が浮かんでいるようだ。
も〜…!
「なぁ―!何やねんコレ!」
俺が突然声を荒げたせいで女はビクッと肩をすくめた
「何やねん!何でココおんねん!俺めっちゃカッコ悪いやん!てかまずこの格好なんやねん!おもろすぎるやろ!!!絶対おかしいやろ!!」
女はびっくりしている様で目を丸くさせた
しかししばらくしておずおずと座り込んだ俺に言葉をかけてきた
「ご、ごめんなさ…」
言い終わる前に『わ』と高い悲鳴が小さく聞こえた