「お…兄ちゃん?」
肩元で怯えるというより驚いた様な感じで俺を呼ぶ
「もう嘘つかんでええから…
帰れとも言わん。
会いたいならお前の母親の病院も探す
聞いてほしい事あんなら本間の事なら何でも聞くしだから…」
抱き寄せたせいで女の顔は俺の肩元にあって見えない
「寂しい事言うな
あんな顔…すんなよ」
顔は見えない。
微かに震える体を俺はただもう一度抱きしめた
―寂しいなら側にいてやりたいと思う。
全部の感情が今繋がった。
俺は声を出して泣きわめくましろを腕の中で抱き止め
ただ愛しくて愛しくて
愛したい と思った