和馬は明け方ようやく涙を止めると、朝の空気を吸おうと庭に出た。
見ると、庭先に小学6年生くらいの女の子が立っていた。
「あの・・・。何か?」
「あ いえ、目が腫れてるんで・・・」
「あぁ・・・」
泣いていたからか。
冷静にそんな事を考えてしまった。
「何か、あったんですか?」
「何でも無いよ」
「そうですか。なら、良かった」
女の子がニコッと笑った。頬に出来たエクボが似合っていて、とても可愛らしい。
「あ 時間。じゃあね。和馬さん」
「え?」
なんで、名前?
聞く前に女の子は走り去ってしまった。