その日を境にシンとリュウはよく私の病室にやって来た。この時すでにリュウは母親を亡くし、シンの家で暮らしていた。後に知ったことだが、リュウの父と私の母は腹違いの兄妹だったのだ。愛人の子であった母は名家の養女して育てられたそうだ。そして、名門白百合演劇学校へ進学し、劇団では娘役トップとして活躍した。退団後、私と同じく女形である父と結婚した。一見、幸せそうな母であったが、本当は苦しんでいたということを、私は何年も後に知るのだ。
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