彼女を知る事で
彼を知る度に
たくさんの愛を知っていった二人でした
愛しくて
小さな手を離さないと
この大きな手を離したくはないと
そう思いあった二人でした
彼女と歩いていく中で嫉妬や怒りを
彼と歩んでいく中で束縛や悲しみを
会えない不安を知った二人でした
些細な事でケンカをして
好きだから優しく彼女をあやす彼と
好きだから涙を流して彼に抱きつく彼女
あんなに思いあった二人でした
ただ信じあう事は愛し合う中で難しくなっていきました
『彼のために』
離れた彼女と
『自分のために』
逃げた僕がいました
あの日繋いだ暖かい手のひらの中には
永遠を約束する温もりではなかったと
悲しくて辛くて苦しくて
今でもまだこんなに君を想う
僕の隣を
優しい誰かの温もりに包まれて
君は通り過ぎた