久々の練習試合の朝、俺は何だか早起きしてしまった。
行く準備し終えた位に、
ピンポーン
「あ、はーい。」
玄関に行き、鍵を開けると桃だった。
「寝坊しそうだから迎えに来てやったよ」
「残念でした。ビンビン起きてるぞ。」
「うわぁ、緊張してんの?」
「ちげぇよ、武者震いっやつかな。こんなにワクワクすんのスゲェ久しぶりだしよ。」
「かっこつけてやんの(笑)」
「いや、マジだし!」
とか言いながら、グラウンドに着いた。
いつも時間に遅れる奴でも今日は早く着いていた。
やっぱみんなワクワクしてんだろうな・・・・
ウォームアップを済ませた後、監督はみんなを集合させた。
「よーし。今からスタメンを発表する。これは全国に行くためのオーダーだ。自分の役割を考えておけ!」
全員「ハイ!」
?番キャッチャー 佐々木 翔磨
?番セカンド 原口 夏男
?番サード 天枷 太一
?番ファースト 黒川 勝
?番ピッチャー 古賀 真也
?番センター 仁田山 勇気
?番レフト 白河 秀太
?番ショート 藤田 隆雄
?番ライト 月島 桃子
・・・・・いつも?番だったキャプテンが?番じゃない・・・・
しかも、黒川さんが?番・・・・
俺はキャプテンの顔をチラ見したが、やはりショックという感じ。
チームメイト全員も驚きを隠せなかった。何より一番驚いていたのは黒川さんだ。
しかし、何の理由もなしにこんなことをするような監督ではない。何か意図するものがある気がする。
両チームの選手はベンチ前に整列し、審判の号令と共に中央に走った。キャプテン同士がジャンケンをした。
審判「それでは、スカイヤーズ対タイタンズの試合を行います、礼!」
両チーム「しゃーす。」
キャプテン「先攻ぉー!」
全員「オイ!」
キャプテンの声はいつも通りだが、どこか元気がない感じがした。
ちなみにタイタンズは全国大会に出場する強豪チームだ。特にエースピッチャー・鳥飼はストレートはあまりないが2種の変化球のキレは抜きん出でいる。
つまり、こいつを勝てば全国も見えてくるわけだ。
しかしタイタンズはエースではなく3番手ピッチャーが先発のようだ。
投球練習を見るかぎりこのピッチャーは球が走ってない。
それとは対照的に真也は好調のようだ。
これなら勝てる!!・・・・かなぁ
To Be Continued