俺はなぜかゆりちゃんの背中を目で追っていた…自分でもよくわかんなかったけどゆりちゃんの背中をずっと見ていたかった…
次の日。俺は友達に質問してみた。
「女の子が男と一緒にいるのを見たくないときある。」すると友達は、
「なんだよ、いきなり。珍しいなツトムがそんなこと聞くなんて。」と笑いながら言った。
「ちょっとな。そんな時あんのかなって思ってさ。」俺も笑ってごまかした。自分のことだなんて口が裂けても言えなかった。すると友達は…
「そうだな…自分の好きな子が男といると見たくないな。ましてや、彼氏とかだったら尚更な。」と笑って言った…
「そっかぁ…くだらないこと聞いてごめんな。」笑ってその場を俺は凌いだ。友達がそれ以上聞いてこなかったのがせめてもの救いだった。好き………かぁ。でも、俺そんな感じにゆりちゃん見てなかったしなぁ…よくわかんないなぁ…頭の中であれこれ考えていたらボーっとしてしまった。
「おいツトム。なにボーっとしてんだよ。授業始まるぞ。」友達に現実の世界に引き戻された。
「う、うん。」俺は素っ気ない返事をした。でも、授業中もそのことで頭がいっぱいだった…好き…友達が何気なく言った言葉が俺の頭の中にこだました。