泣きながらリナちゃんは話している。「もぅ連絡しないでって…私は心配してるだけなのに…」「大丈夫…?ハルくんはどこにいるのか知ってるの?」「わかんない…一方的に電話切られた…」その時リナちゃんと目があった。
ドキッ…
「えみ!」「え…っ?」どうやらリカはずっと私を呼んでいたようだった。「何…?」「何じゃないっしょ?…どしたの?」「大丈夫だよ!何でもないし…ちょっとぼ-っとしてて…」「…2組のリナ?何かあった?」「マジ何でもないって!ほんと最近ぼ-っとして…」リカは私をじっと見てから,軽くため息をついた。「えみがさ…言いたくないことならいいけど,もし遠慮とかしてるんだったら止めてよ。私は聞きたいんだから。水くさいじゃん。マジで何でもないんだったらごめん」「リカ…私こそごめん。」素直に嬉しかった。(でもごめんねリカ…言えない。)
ハルの事は誰にも話す気になれなかった。言えなかった。(何か深い事情があるんだ…)私はハルと会った日の事を必死で忘れようとした。正直あまり他人に深入りしたくなかったからだ。だけどこんなに必死になる事が自分でも何故か分からなかった。私は冷めた人間だった。どうでもいい事などは気にしなくてもすぐ忘れられたから。
(なのに何で…?)
その日頭痛を抱えながら夜を迎えた。
ハルとあった日に着ていたセーターがベットにおいてあった。
ハルの匂いがする…まだ頭にはあの曲名の分からないクラシックの音楽と,笑顔があった。
(てかこの年令でホストってヤバイもんね…そんなにお金が必要なのはやっぱなんか事情があるんだよ…ってもぅどうでもいいじゃん!寝なきゃ…!!)私は繰り返し考えては一人でツッコミを入れていた。(明日…土曜か…ホストクラブって休み決まってるのかな…駅どこだったかな…)そんな事を考えながらいつの間にか眠ってしまっていた。