西暦20ХХ年・東京都Z区・区立第三中学校―\r
その日の朝礼は異常な熱狂に包まれていた。
『これより、我が校内にて繰り返しイジメをしていた悪徳グループ三名の処刑を執行する!』
生徒会長・梅城ケンヤは朝礼台に登り、自ら宣告文を読みあげた。
『死刑囚共をこれへ!』
参会した全校生徒1000人のどよめきを浴びながら、ブレザー姿の男女三人が、風紀委員達の小銃で小突かれながら朝礼台の前に引き立てられた。
『君達をこれから死刑に処する。最後の言葉(ラスト・ワード)は?』
『じ…冗談だろ?オイッ!』
イジメグループのリーダーだった原田イクヲは抗弁を試みた。
『自殺したのはアイツが弱虫だからだよ!俺達のせいじゃねえよ!』
『そ、そうだよ…俺達未成年だしっ!死刑なんて出来る分けねえだろ!?少年法を忘れたのかよ?生徒会長さんよ?』
イクヲの【金魚の糞】北ジロウも親分と共に梅城に食ってかかった。
『私は知らないわ!こいつらに脅されてしょうがなくやったのよ!だから私は無罪だわ!』
大城タエコに至っては、仲間を売りにかかった。
しかし、梅城はそれには動じなかった。
『少年法?弱虫?仲間に脅され?ああ…色々言い分は有るだろう。だが、ここは学校だ。生徒会長の俺が決めればそれがルールだから。それに君達はやりすぎだ。実際二人が君達のイジメで自殺してるのは彼等の書いた遺書から判明してる』
すると、生徒達から次々とやじが上がった。
『生徒会長!こんな悪魔共の言い分は聞くな!』
『そうだ!いますぐ死刑にしろ!』
『私もこいつ等のせいでリスカまでしたのよ!だから殺して!』
『その為にあんたを生徒会長に選んだんだ!やってくれよ!』
梅城ケンヤは片手を上げてそれを止めさせると、厳かに、
『ではこの者達を銃殺刑にし、死体は今後のみせしめの為に3日間晒し物とする!』
満場の歓声の中で、風紀委員達は三人を朝礼台脇の金属製のポールにくくり付け目隠しをし―\r
五分後
『始め!』
複数の銃声が木霊して、イジメグループは全員絶命した。
死体の臭いを引かれたのか早くも集まったカラスが辺りを舞うのを見ながら、生徒会長は解散を命じた。
梅城ケンヤは正に独裁者として君臨していたのだ。