やっと通夜も終わり、親戚も一段落がついた頃、父ちゃん母ちゃんが話してた。昔の話を思い出しては笑ったり、涙ぐんだり・・。その度に、ずっと子供扱いしてた弟が、「泣いたら兄貴が悲しむやろ!笑ったりぃ!」と二人を嗜めてた。
これだったら大丈夫だな。切なくもあり、弟の成長振りを兄貴として誇りに思った。あとは志津香だな・・
家に着いた。まだ入った事ないから全く勝手がわからないが、どこからか声が聞こえ志津香の居場所がわかった。きっとこの家を守り続けてきた方々が導いてくれてるんだろう。
・・ずっと泣いてた。いつもは1時間は確実にしっかりしてる化粧もしてなかった。おかげで目がパンダになってない。
志津香の心の声が聞こえてくる。それは悲しみしかなかった。
俺は何もしてやれない。無力だ・・。また後悔した。けど今となっては後の祭りだ。俺はただ隣に座った。俺に命があれば、抱き締めたり、話を聞いたりしてやったのに・・とまた悔やんだ。
やっと寝てくれた。泣き疲れたのだろう。鼻水もふかず眠りについた。
さぁここからが本番だ!
どうやったらいいかわからなかったが、そっと頭を撫でた時に、俺がしたかった事が出来た。