屋上はコンクリートが所々ひび割れ、じめじめした嫌な感じだった。 「花音!何でさけるんだよ!」 ナオは花音を見ずに言った。 「……なんでもない」 自分でも分からない感情を説明することが出来ず誤魔化そうと花音は答えた。 「頼むから本当のことを言ってくれ」 さっきの声が嘘のようなナオの優しい声。 「……」 本当のことを話そうかで迷ったわけじゃなかった、ただ、どう誤魔化そうか、今の花音の頭のなかはそれで一杯だ。
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