ヤス#123

チャーリー  2007-08-06投稿
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ヤス#123
「あの馬鹿は組の者か?」
「はい。あいつは下っ端の二郎です」
「事務所に連れて行け」
泰子はヤスに手を引かれながらも、その精悍な横顔をじっと見ていた。確かに、ヤスは肝がすわっていたと思う。泰子は恐怖におののきながらも、ヤスの動きを見ていたのだ。
喧嘩した事など無い筈だが、明らかに喧嘩慣れしていた。
財布をわざと落としたのがそれだろう。
言葉使いも違っていた。
泰子は、ヤクザが財布を拾おうとした瞬間に、ヤスの目が赤く光ったのを見た。ネオンが反射したのかもしれない。いや、違う。確かに赤く光った。そして、ヤスが一撃で倒したチンピラの口から出ていた不気味な舌。ひょっとしたらすぐそこに魔物が棲んでいるのかもしれない。泰子は死んだ純子から聞いた話が現実味を帯びてきた事に興奮と恐怖を覚えた。

ホテルに戻った二人は、窓辺に立ち夜景を眺めている。煌めく街の灯りは平和そのものだ。だが、ヤスにはわかっていた。すぐそこまで危機が迫っている。今度は、どんな魔物が現れるのか…そして、自分はどう戦えばよいのか。味方はサトリと龍神。そして、傍らで不安げに見上げている泰子だけだ。

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