片想い・16(彼の音)

結姫  2007-08-06投稿
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放課後。



大西君のクラスの前に着いた。
でも、まだ迷ってる。
もしもまた無視されたら・・・ってか、嫌われたらどうしよう・・・。ぃゃ、もぉ嫌われてるのかな。


どんどん落ち込んでいく自分がいる。


うつ向いていると、自分の前に立ち止まり、ゆっくり通り過ぎて行く背の高い影が自分の足元に見えた。


前を向く勇気がなくて、そのままその影に話しかけた。


「・・・待って。なんで無視するの?」


影が止まった。




「うちのこと、嫌いなん・・・?」


「・・・違っ」
「何が違うの!?目があったらすぐそらすゃんか。話しかけようと近づいたら、逃げるやんか。そんなんもぉー嫌や!!その度に胃が痛くなる・・・。バカっ・・ぅっ・・」


あ〜〜〜〜嫌だっ。泣きたくない。ここで泣いてウザいと思われたくないよ。



バレないように顔を手で覆った。何も見えなくなった。音もしない。大西君の声も聞こえない。
・・・ぁあ〜もぉ無理なんやわ・・・












・・・ギュゥ。






強く。優しく。抱きしめられた。




何も言わず、ただ私を抱きしめてくれた。



私も何も言わなかった。



いつの間にか涙も止まって、ただじっと彼の胸にもたれ続けた。










大西君の心臓の音が心地良かった。








続く。



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