あれは、中学の卒業式のことだった。
あのときの私は、もうなにもかもが最悪だった。
二年三年とずっとイジメをうけてたせいで友達はいない。
なら、と思って、受験は県下トップクラスの公立校を受けたけど、ことごとく不合格。
まさに踏んだり蹴ったりだった。
私は、式が終わると、両親にも同級生にも目を合わせないようにして、こっそり人気のない校舎裏へと逃げ込んだ。
そして泣いた。
今までは辛うじてまだ、この学校が私の居場所だった。
けどこれから、私はどこにいればいい?
私は歌が好きだった。
カラオケには毎週のように通っていたし、地元の市民合唱団では、つい先日、高校生もいる中で唯一中学生としてソロをやらせてもらったくらいだ。
けど、あいつらは、私から歌を取り上げた。
いつものようにカラオケに行ったある日のことだった。
『歌ってる顔がキモい』
その日から、陰湿ないじめが始まりだしたのだ。
そりゃ、私が可愛くなんてないのはわかってるよ。
でもさ、それで、こんなぐちゃぐちゃに人生壊されちゃうのって、なくない?
そのときだった。
泣いている私の前に、救世主が現れたのは。