両足でしっかり立っているつもりでも
ぐらぐらと視界は揺れる
何かに掴まろうともがいても
この手は空を切るばかり
足元は水溜まりで濡れ
そして底無し沼へと変わる
もがけばもがくほど身体は飲み込まれていく
針金が入ったように指先を伸ばし
永遠に届かない筈のものの姿を垣間見る
最期にたった一度でいいからと
願う先には何の不安もない自分
時間は残酷に夢と理想を引き離す
あの時の選択は間違っていたのかと
走馬灯の様に情景が脳内を流れ
そして全てが沼に沈む
身体も
精神も
夢も
あとは現実をふらつきながら歩くだけ
果てしない人生の細くて長い道を
纏わり付く泥を払い切れずに
ただ歩くだけ
、