処刑生徒会長5

まっかつ  2007-08-09投稿
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梅城ケンヤは元々は典型的な腕白少年だった。

実家は商社マンの父と、インストラクターの母に、ペットの犬からなる。

これと言って問題はない。

それ所か、そこそこは裕福で満ち足りた家庭に育った、と言って良い。

だから両親はケンヤには塾に通って名門大学を目指す事を望んだ。

学校みたいな危険な場所に毎日通い、悪い事を覚えて欲しくないという親心をケンヤは蹴った。

なぜか?

彼には三才年上の従姉妹がいた。

名前はナツと言った。

ケンヤが産まれた時からの幼馴染みで、時として一人っ子の彼の姉代わりとなっていた。

その彼女は実は小学校高学年から激しいイジメにあっていた。

それも毎日だ。

教室・校庭・通学路・体育館、あらゆる所で彼女は持ち物を奪われ、隠され、落書きされ、身体中にはあざやタバコの火をつけまくられた。

クラス中からは無視され、何か悪いことがあれば、全ては彼女のせいにされ、謝っても許してもらえなかった。

家に帰ってもイジメは続いた。

何故なら学内ネットでは毎日自分の悪口・噂が流され、不特定多数に必ずなぶりものにされていたからだ。

そんなの見なければ良いじゃないかと思うが、しかし、イジメグループは巧妙だった。

毎日自分当ての書き込みに全部返事しろ。

さもなくば明日はもっと酷くやってやるからな!

イジメグループはそう脅しつけナツに逃げ道は無かったのだ。

今更ながらに、彼女は教師に相談した。

だが、帰ってくる答えはありきたりの経文だけだった。

―キミの側にも原因がある、それはキミが悪いんじゃないのか?

ほっとけばじき収まるさ、キミが軟弱だからつけこまれるんだ。

先生は忙しいんだ。

キミだけを見ている訳じゃない。

なんなら学校何か来なくて良いよ?

そんな面倒な事正直手に余る。

私だって万能じゃないんだ自分で何とかしろよ。

しばらく学校を休んでカウンセラーに見て貰えば?

今みんなそうしてるだろう?

イジメグループは普段は成績も素行も良く、教師の前では上手く立ち回るずる賢いのが多かった。

だから中々イジメはばれなかった。

当然ナツは両親に悩みを打ち明けるべきだった。

だが、イジメグループは先回りしていた。



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