祐希「…敵?」
祐希はつぶやくようにして聞き返した。
瑞枝「…言ったでしょう?神の、真の使い、“使真”さっきの街の異変の原因はソレだって。」
祐希からの投げ掛けに対して瑞枝が答える。
紫穂「原因って…‥敵って…」
怜子「…神の降り立つまでの予兆、もしくは土台造りとアタシ達はみてるわ。なんであれ、ただ事ではないこと、アナタ達も先刻感じたでしょ?
…そう。ただ事ではない…人類の、危機よ。」
祐希「危機…」
祐希は制服の裾を"ギュッ"と握り締めた。
《―なんか、胸騒ぎがしたんだ。それと同時に、ものすごく不安な衝動に駆られた――。》
紫穂「そ…それで…アナタ達は一体…何者なの?…どうしてそんなことを知ってるの?そろそろ教えてくれても…」
祐希「…」
瑞枝「そぅね、別に隠すつもりは無かったけれど、進んで話す気が無かったのはたしかだから、怜子?」
怜子「このことは瑞枝、アナタから伝えたほうが立場上、自然だわ。」
瑞枝「…わかったわよ―…」
瑞枝は仕方ない。という感じで了承すると、祐希達の座っているソファーの後ろから怜子の隣にうつり、脚と腕をそれぞれ組みながら座った。