夜。 いつものような週末。
いつもと変わらない道。
そんな普通の風景の中に一匹の猫がいた。
その猫は闇色の身体に物凄い量の傷を負っていた。
普通の猫なのだが、孤独感のオーラをだし、周りの人の目を集めた。
『いいさ。見てろよ。誰かを思いやる事なんて…やるだけ無駄だよ。』
孤独は嫌いじゃない。慣れていたが、望んでいたと言った方が俺の考えかたに近いだろう。
そんな孤独感溢れた猫に惹かれた人物が。
若い絵かきだった。
『今晩は。素敵なオチビさん、僕ら何だか似ていないかい?』
そう言ってボロボロの黒猫を抱き抱えた。
『何だ!?こいつは?変わり者なのか!?』
その黒猫は絵かきの腕の中から孤独への世界へ逃げていった。
俺への優しさなんて存在しない!優しさなんて俺には必要ない!
黒猫は初めての優しさに動揺した。これまでにない位驚いた。
必死に逃げた。優しさなんて信じず、孤独へ向かって……………だが、絵かきはついてきた。自分に似た奴に興味を持ったのだろう。
黒猫はその絵かきと暮らした。
絵かきは黒猫に名前をつけた。 holy night 黒猫と絵かきが暮らし始めて二回目の冬を二人で過ごす。
絵かきが書く絵と言えば、大切な友達のデッサン。
一枚の紙は闇の色に染められていた。
黒猫も初めての友達に甘えて甘えて…
しかし………
続く