「ここか‥‥‥」
今俺達は日本のある孤島の入江にいる。
超能力学校はビル12階ほどの黒い壁に囲まれて見えない。
「んで?!こっからどう入るんだ?」
着いたはいいもののその黒い壁にどうしたらいいかとまどっている。
「依頼人の話では先に連絡がいっているらしいが‥‥」
「せやけど俺ら超能力持ってないやんけ。」灰の言葉に誠矢が疑問を持つ。確かにここが超能力者だけしか入れない学校ならば、澪達にこの任務を成し遂げることはおろか、遂行することもできない。3人が頭を抱え門前で立ち往生しているとき、後ろから元気な声がする。「すいません!遅れてしまいました!!」
「夏乃!?」
「夏乃さん!?」
「夏乃ちゃん!?」
三人の後ろにいたのは仲間の一人で部活があって遅れてきた、遊妓夏乃(ゆぎかの)(女)だ。警察の船から下りながら手を降っている。
「遅かったなぁ?忙しかったんか?」
「はい。もうすぐ県体なのでいつも以上に‥‥。ところで‥‥入らないんですか?」
「それがさぁ、俺ら超能力者じゃないのにどうやって潜入するのかってコトに気付いてさぁ」
夏乃の質問に澪が答える。すると夏乃はあっと言ってカバンの中から何かを取り出した。何か小さな卵のようなものだった。それを夏乃は三人に渡す。
「はい。これね、ここに来る前に事務所に来てた依頼人の人にもらってね。なんでも渡し忘れたらしくて‥‥これを食べないと中に入れないって言ってた。」
「大丈夫なんか?ほんまにこれ‥‥」
夏乃の言葉に誠矢は不安になりその卵らしきものをじっと見つめている。
「うん。大丈夫だろ!!だっておいしいぞ?これ!!」
澪の声に他の三人は振り返る。
そこにはあの卵を食べている澪の姿があって‥‥‥しかも殻ごと‥‥
その姿に三人は目が飛び出しそうな勢いで驚き急いで 駆け寄る。
「なんてゆーか、クリーミー?おいしいぞ♪おまえらも早くたべ‥‥うっ‥‥」
「澪?!」「澪くん?!」「澪さん?!」
慌てて三人はしゃがみ込んだ澪の背中をさする。
「‥‥な‥‥なんだ‥‥?これ‥‥」
でも澪は何か異変を感じたらしく、そうつぶやいている。
「ど‥‥どうしたんだ?」
不安になり灰が澪に聞く。
「な‥‥なんか‥‥体が‥‥