私立公光学園
偏差値は32
そんな落ち零れ学校の中でも更に質の悪い連中を集めたクラスが3‐Cだった。
不良共の巣窟。
カラスの巣。
そう言われていたクラスにある日転入生がやって来た。
彼女の名前は華那
苗字は誰も知らなかった。
「センコーその子の苗字はぁ〜?」
生徒の一人が担任に聞くが担任は分からないの一点張りで彼女自身に聞いてみてもただ首を横に振って「苗字は無い。」と言っていた。
彼女はこのクラスで異彩を放っていた。
男子は皆不良。
女子はギャル。
そんな中彼女は真面目で化粧すらしていなかった。
そしてあり得ない程美人だった。
彼女が女子からいじめの標的になるのは大して時間がかからなかった。
いじめは段々エスカレートして行き、華那自身も大人しい性格だったので状況は更に悪化した。
そして挙句の果てには男子にも彼女をいじめる者が現れて最終的には皆からいじめられる様になった。
しかし当の本人はいくらいじめられても涼しい顔をしており気にしている様子は無かった。
そして彼女が転入してから40日後、
彼女はとうとう学校に来なくなった。
皆はとうとう不登校になったのだと思った。
しかし次の日。
朝のSHLをしに来た担任は教室を見て驚愕した。
誰もいなかったのだ。
学校は対策に追われて生徒達の自宅に電話をかけた。
「公光学園の3‐Cの担任の堺です。 お子さんの真治君はいらっしゃるでしょうか?
今日は何の連絡も着て無いので…」
「あの〜間違いなんじゃ無いですか?
ウチには真治なんて子はいませんよ…」
他の生徒達にも連絡は取ったが結果は同じ。
「そんな子はいない。」
ただ一人を除いては。
堺は華那の自宅に電話をかけた。
「もしもし…堺だ…」
「堺先生。何してるんですか?
私は後ろにいますよ?」