今年の夏はやけに暑い気がする
クーラーのない教室に時間とともに、照りつける太陽。
程度を知らない俺の汗。
汗が制服を濡れさせていくうちに俺の体内温度も限界にきている。
(・・・・ったく、あちぃ。)
手で体を仰ぐにしても、それでは体力の無駄づかい。
こんな時に普通にしてられる人間の気がしれない。
(あぁ、帰りたいっ)
まぁ。そんなこんなでやっと午後の授業が残り5分になる。
(うしっ)
そんな些細な幸せも毎日の楽しみである。
(5・・4・・3・・2・・1・・0!)
キーンコーンカーンコーン...
(うっしゃぁ!鐘ビバっ!)
帰れる事への嬉しさも混じった感情を胸の中へ抑え込み、俺は勢いよく立ち上がる。
ガタッ
周りの目など気にしない!
俺は俺の道をゆくぅ!!
コツ---
『要君?』
後ろに声がかかる。
(げっ!・・苦手なんだよなぁ)
俺の天敵[千鶴]が俺を睨む。
(勘弁してくれよ・・・)
俺はゆっくりと振り返る。
「なんだょ・・・」
あいつは口を開く。
『体育祭実行委員。あんたね』
「・・・・は?」
今日は早く帰れなさそうだ。