台所から缶ジュースを開けて戻って来るシュウジは、どこか複雑な表情だった。私が寝ているベッドの下に座って、ベッドに背を向けて寄り掛かる。私からはシュウジの頭しか見えない。
「…シュウジ…?」
私が声をかけると、グビっと一口ジュースを飲んで話し出した。
「エリカが…オレを好きになったきっかけの席ってさ…実はオレが仕組んだんだ」
「…え……」
なに…言ってんの?
「…オレの方が先にお前を好きになったんだよ」
思考回路停止。
シュウジの言ってる意味がわからない。
だってシュウジ…
「彼女いるじゃん…?」
無意識に口に出してた。
「うん。オレ最低なんだ。お前に気持ち伝えらんなくて、一番ぐちゃぐちゃだった時期に告られてさ。考えたくなくて軽くオッケーした」
自嘲気味に話し続けるシュウジ。私は信じられない気持ちでいっぱいだった。
「付き合ってるうちにエリカを忘れて好きになれっかな、って思ったんだけど無理。失敗。だってお前を抱いちまったもん。…ははっ!まじオレ最低。早く別れればいいのにそれもできなくて…」
「…好き…なの?彼女のこと…ちゃんと…」
私の問い掛けに、手に持ってるジュースを一気に飲み干して答えた。