うそつき(09

ちぃ  2006-03-09投稿
閲覧数[330] 良い投票[0] 悪い投票[0]

台所から缶ジュースを開けて戻って来るシュウジは、どこか複雑な表情だった。私が寝ているベッドの下に座って、ベッドに背を向けて寄り掛かる。私からはシュウジの頭しか見えない。

「…シュウジ…?」

私が声をかけると、グビっと一口ジュースを飲んで話し出した。

「エリカが…オレを好きになったきっかけの席ってさ…実はオレが仕組んだんだ」

「…え……」

なに…言ってんの?

「…オレの方が先にお前を好きになったんだよ」

思考回路停止。
シュウジの言ってる意味がわからない。
だってシュウジ…

「彼女いるじゃん…?」

無意識に口に出してた。

「うん。オレ最低なんだ。お前に気持ち伝えらんなくて、一番ぐちゃぐちゃだった時期に告られてさ。考えたくなくて軽くオッケーした」

自嘲気味に話し続けるシュウジ。私は信じられない気持ちでいっぱいだった。

「付き合ってるうちにエリカを忘れて好きになれっかな、って思ったんだけど無理。失敗。だってお前を抱いちまったもん。…ははっ!まじオレ最低。早く別れればいいのにそれもできなくて…」

「…好き…なの?彼女のこと…ちゃんと…」

私の問い掛けに、手に持ってるジュースを一気に飲み干して答えた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ちぃ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ