鬼塚一志。この名前を街で知らない奴はいないだろう。
ファントムオブエデンのトップにしてbarヴィシャスの店長。しかもこの街にあるバトルランカー一位というもはや伝説に近い男である。
昔よく遊んだがその時から仲間思いだった。だけどこれからその仲間に手を出す訳だから少し複雑な気分だ。けどケンにゆのか姉の事は内緒にって言われてるし喋る気もない。
結果考えてもしかたないからいくことにした。
barヴィシャスは街のほぼど真ん中にありビルの二階にある。打ちっぱなしのコンクリにカウンター。回りをグルッと囲むように鉄の檻がありDJブースやらイベント用のテーブルやイスが端に詰んであった。
一度中に入ろうとするとヒロがいるのが見えた。
「あれ?何してんの」
と普通にツッコンでしまった俺に
「キョウじゃんか。あんね友達の、りっちゃんから聞いたけどみっちゃんがここにいるのよ。だからこん中に入りたいけどこのオッサンがいれてくれないのよ。」
そう言って困っているというオーバーなリアクションをして定員の人を指差す。
オッサンて言葉に反応したのかこっちも一緒に睨まれるが俺に気付いたらしくどうぞと中に送ってくれた。
「すっげぇじゃんキョウちゃん。やはりVIPは違うね」
そう言いながら一緒についてきたヒロにどうやって帰るよう伝えるか悩んでいた。うまい事帰って貰わないと巻き込んでしまう。そう思いながら暗い道をカウンターに向けて歩いていた。