この国には絶対の掟がある。その掟とは[門の外へ出てはならない]もし破るような者がいたら、その者だけじゃなく、家族全員が処刑される。
麻里は母からこの掟を聞いた時血の気が引いた。(聞くんじゃなかった…)麻里は心の底からそう思った。
「そんな怖がらなくて大丈夫よ。破らなければ良いんだから」
「でもどうして出たらダメなの?」
「母さんも理由は知らないの」
「なんで?」
「母さんもね、小さい時どうして兵隊が毎日門の所にいるのか知りたくて母に聞いたことがあるの、でも母は掟しか教えてくれなかったの、だから理由は知らないの」
(どうして…掟だけ?)