禁忌

ミルク  2007-08-13投稿
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時は平安。ある町の屋敷に美優という一人娘がいた当時は、まだ身分というものがあった時代の辛く悲しいお話。






「美優様、お出かけの時間でございます。」
美優のお付きの香矢子が正座をして頭を下げたまま言った。
「あ、ありがとう。すぐ行くわ。」
美優は、香矢子を部屋に入れないように急いで言った。香矢子が行ってしまうとと美優は、向きを変えて言った。
「ごめんなさい。今から出かけなければいけなくなって…」

カタッ

美優の目の前にある御簾から一人の若い男がいた。
「いいですよ。気にしないで下さい。美優姫」
「……。」
美優は、少し悲しい顔をした。
「それでは、私は、これで…あまりいると怪しまれますし……また来ますよ美優姫」
美優の悲しそうな顔をみて男がいった。
「はい。この恋は、してはいけなかった…。もしばれたら貴方のお命が危ういかもしれない……」
「姫どうか泣かないで…私は、けして死んだりしませんから……」
美優に笑顔が戻った。
男の名前は、幸平。美優の専属の医師だ。産まれたときからからだが弱い美優は、二十歳まで生きられないだろうと言われた。そして美優が十一の時初めて二人は出会い、恋をした。そして診察のふりをして、会いに来ているのだ。
「それでは、美優姫また診察に参ります。お体におきをつけて……」
そして幸平は、立ち上がり部屋から出ていった。
まだ十三の美優でもこの恋の危険は、知っていた。それでも幸平を愛さずには、いられなかった。美優の頬からは涙がつたった。
(私が、普通の庶民だったら…あの方が貴族だったらこんな苦しい思いしなくてすむのに…)
美優は顔を両手で覆った。



「何?美優の様子が変だと?!」
美優の父、和明は香矢子から話しを聞き驚いた。
「はい…。何やら思い詰めたご様子で、泣いてばかりいらっしゃるんです理由を聞いても何も………」
「そうか…。よし!わしからそれとなく聞いてみよう」
「お願いいたします。」
香矢子は深々と頭を下げた。

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