紅いアクマと私10

 2007-08-13投稿
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懐かしい夢を見た。
幼い頃の夢だった。




「シャーナ!!」
紅い髪の少年が自分の紅い翼をはためかせ、目の前の巨木へと飛ぶ。

「アルー!こっちだよー!!」
その木の上から手を振る少女。

少女の髪は銀。
雪のように眩しい。
羽は黒。
深い闇の色。

最も崇高な黒と
最も卑しい銀の二つを持っていた。


「やあっシャーナ!」
アルが木に降り立ち、シャーナの隣に座る。


「ねえシャーナ」
「何??」

「ここはさ、悪魔の領域だけど大丈夫なの??」

「平気よ。私よくここに来るけど悪魔なんて見たことないもの」

シャーナは明るく笑う。

「それに悪魔なんて私にから見れば雑魚よ」

なんてね、とシャーナは笑う。
だがアルは笑わなかった。

だってシャーナは本当に強いから。

天使の最高の黒
悪魔の最高の銀

天使なのにこの二つを持つ彼女は本当に強かった。



「あっ!ほらっ始まるよ!!」
シャーナが前方を指差す。

その先には、美しい光景があった。

青い空は夕日で赤く染まり、悪魔達の領域でしか見られないというオーロラ。

この光景は美しいとしか言えないもので、アルは呆然とその光景を見ていた。

「ねっ、綺麗でしょ」
シャーナがアルに話し掛ける。

その笑顔も、美しかった。




美しい景色が突如歪む。
思いだしたくもない記憶が蘇る。


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