煙草を排水口に捨てる。
『ってか、何でフルネームなんだよ!まっ、大樹さんでいいよ。(笑)』
笑った横顔が姉貴のタイプだ。ここに惹かれたか。
『姉貴からお金なんて取れませんよ。姉貴、お金は服代に使うタイプだから。』
真剣な表情で話す私を見てコイツは笑った。
『ふっ、俺、誰からでも金なんて取らねえよ。てか未来ちゃんからそんなイメージかぁ。俺。女遊び激しいとかまで言われてるし(笑)』
お金を取るなんて、マジ話なのかよ。なんて奴だ。
『奈美ちゃんは可愛いから許す!!(笑)』
ガムを噛みだす。
『姉貴と付き合うからには、騙すとか無しですから。』
これは私の本音だ。ここ最近、彼氏からフラれて落ち込んでたし。
『へぇ。姉ちゃん思いやん。大丈夫さ。こんな恐い妹ちゃんもいるし。』
私は何も言わず保健室へ向かった。
何故か嫌な事しか頭にない。
『何で姉貴あんな奴と!?信じらんない!!』
足並みが乱れる。