処刑生徒会長10

まっかつ  2007-08-15投稿
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―こいつらは、こいつらは。

楽しんでいたんだ。

梅城ケンヤは窓枠を力一杯把んで沸き上がる激情を必死に隠した。

有権者達の前で本心を暴露する分けにも行くまい。

今は、まだ。


一般生徒達はイジメとは無関係を装う事で、絶対に責められない立場にある。

だが、実はイジメを産みだし、助長してるのはこいつらだ。

イジメグループの影に隠れて、イジメのターゲットをなぶり物にするゲームを楽しんでいるのは、今ここにいる善人面したこいつら全員なんだよ。

仮にイジメがばれても、こいつらは絶対に傷付かない。

その暁には、『自分も被害者ですあいつらに逆らえませんでした』とでもまくしたてるか、今みたいに生徒会長に【始末】させて闇から闇へ葬り去れば良い。

イジメグループに上手く混じって、こいつらは実はイジメを楽しんでいた。

クラス全員で無視とか、親友しか知らない秘密をばらすとか、一握りのイジメグループだけで、ここまで出来る筈がない。

全ての危険をターゲットに押し付けて、自分達だけ無事でいようとし、更に孤立したターゲットに手を挙げ足を挙げ、暴言を吐き、金を巻き上げ、そうやって日頃の鬱憤晴らしに利用しているのは実はこいつらだ。

それでいて口では『イジメは許せない!』『悪いのはイジメグループだ!』『あいつらさえやっつければ平和な学校になるのに!』などとほざいているのだ。

―イジメグループがいなくなれば学校が平和になる?

生徒の誰かがわめいたそんな言葉を思い起こして、梅城ケンヤは嘲笑をこらえねばならなかった。

―こいつらがいる限り、イジメはなくなんないね。

永遠に。

だから殺ってやるのさ。

こいつら全員。

ナツを自殺さした連中は必ず捜し出して、決着をつけてやる。

この学校に巣食うイジメグループも残らず殲滅してやるさ。

ここまでが言わば彼のマニフェストだ。

―だが、それからはここの生徒1000人、お前ら全員を始末するのさ。

強化された武力と権力で。

処刑と粛清の嵐で。

そして、皿地になった学校に全国から優秀な生徒を集め、イジメの無い学校を創る。

これが真の―俺の本当のマニフェストさ。

夕刻になっても今だ帰ろうとしない生徒達に愛想の良い微笑を示しながら、梅城ケンヤは内心復讐の決意を新たにしていた。



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