Reborn ― 2005

朝倉令  2006-03-10投稿
閲覧数[817] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「あの死神ルックはやめちゃったの?」 

挨拶の後、アタシが尋ねるとクロガネさんは苦笑していた。

「あのコスチュームはですね、死者の皆さんに自分が死んだという自覚をうながすために …… まァ良いですが、相変わらずこちらのペースを乱してくれますねェ」

ドレープの様な薄物をまとったクロガネさんは、これからアタシが生まれる家の事を説明してくれた。

「偶然って訳ではありませんが、以前恋人だった朝倉令さんのお向いなんですよ。 あなたの新しいご家族がたまたまそこに引っ越したという設定で。 ま、ぶっちゃけた話、お詫びの意味合いも兼ねてそうチョイスしたんですけどね」


 また会えるんだぁ……

アタシは、にわかに胸が高鳴り始めた。



「淋しくなるけど、また会えるからね。 第二の人生もしっかりやっとくれ」

サヨさん、フレデリック(ショパン)さん、フランツ・リストさん等、ここで親しくなった人達に見送られながら、アタシは元いた世界へ旅立っていった。



  2005年、10月

「う ―― … ん …あ!もうこんな時間!!」

ベッドから跳ね起きた私は、大急ぎで洗顔と髪のセットを済ませ、テーブルの上にあったトーストを手にとった。
 部屋に戻って着替えながらパクついていると、一部始終を眺めていたママが呆れた顔で立っている。




投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 朝倉令 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ